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不動産j購入前の事前確認

ホーム >> 【個人のお客様への調査内容】 紛争事例


※「千葉県宅地建物取引業協会 研修会テキスト」 から抜粋したものです。
不動産j購入前の事前確認、紛争事例
日照の説明を怠った

売主業者が、日照に関して誤った説明をし、売買代金の返還が命じられたケース


 紛争内容
  1. 買主Aは老齢であり、今後の夫婦の生活の場としで日当たりの良好な住宅の購入を希望していた。
  2. 買主Aが売主業者Bから紹介された物件は、Bの自社物件で14階建マンションの7階部分であるが、マンションの位置・構造から午前中のみ日照のある物件であった。
  3. 買主Aは、物件購入に際し、売主業者Bに対して午前中の日当たりの良好なことを確認し、さらに物件の東南に隣接する空地に何が建築されるかを確認したところ、Bは、7階建のビルが建築されるがマンションの7階部分と同じ程度の高さであり、また、マンションとは距離もあるので日照には影響はないと説明した。Aは、Bの説明を信じて売買契約を締結した。
  4. 売主業者Bは、売買契約を締結した翌日に、隣接地に計画中のビルの建築概要説明書の写しを買主Aに交付したが、説明書中の日影図については業者自身がその見方がわからないこともあってAに対する説明をしなかった。
  5. 決済・引渡しが終わって1月位した後、買主Aは、他の用件で売主業者Bを訪れたところ、隣接地に計画されているビルは7階とはいっても地上の高さはマンションの11階の高さ(31m)に相当すること、およびこのビルが完成すれば本物件には一日中日があたらないことを知らされた。
  6. 驚いた買主Aは、マンションの管理人を訪れ質問したところ、管理人は、ビル建築計画に関する近隣説明会資料中の日影図を示して、隣接ビルが完成すれば一日中日があたらないことを説明した。
  7. 買主Aは、売主業者Bに対し、当該物件に関する売買契約は錯誤により無効であるから売買代金5、700万円全額を返還せよと請求した。


【買主Aの言い分】

業者から午前中は日があたるとの説明を聞いていたので購入した。日があたらないのならば、契約は錯誤により無効である。


【売主Bの言い分】

日照が確保されるか否かという問題は、買主Aが物件を購入する際の動機の問題であって、そのような動機は売買契約の要素にはならない。
したがって、売買契約は有効であり、売買代金は返還できない。


【本事案の問題点】

売主業者Bは、買主Aから本物件の購入の重要な条件として、「日照の確保」の申入れを受けていた。
しかし、Bはこの件に関する調査を怠り、結果的には、調査・告知義務に反し、Aに不測の迷惑をおよぼした。


【本事案の結末】

買主Aは、売買契約前から日照を非常に重視しており、当該マンションに午前中日照があることを確認したところ、売主業者Bは隣接計画ビルが計画上7階建となっていたところから本件マンションと同程度の高さと誤信して、隣接計画ビルの完成後も当該マンションには午前中は日があたる旨の説明をした。
したがって、本事案においては、当該マンションの日照の問題は、買主の本物件購入の重要な動機としてBに表示され、この点に誤信があったのであるから、同誤信は要素の錯誤にあたるとして、売買契約を無効にするものと認められた。これにより、Bは買主Aに売買代金5、700万円の返還をせよという判決が言い渡された。


本事案に学ぶ

  1. 業者は日影図の読み方に習熟し、きちんと調査する
    売主業者Bは、買主が日照の確保を申し入れているにもかかわらず、隣接計画ビルの建築概要説明書の写しを買主に交付しただけで、同説明書中の日影図については、見方が分からないため、説明をしなかった。
    また、隣地の建築計画による日影の影響について当該マンションの管理人ですら、ビルが完成すれば終日、日があたらないことを知っていたにもかかわらず、Bは、それすら分からなかった。
    業者としては日影図の読み方は、不動産業務を行ううえで必須条件である。
    したがって、日影図の読み方は習熟しておくことはもちろん、分からない点があれば、専門家に開いて確認する等し、きちんと調査したうえで買主に説明しなければならない。
    また、業者は、日照等について下記の点に留意する必要がある。
    ■調査上のポイント
    1, 当該物件周辺に関する建築計画等の調査・確認
    ・近隣説明会等の有無
    ・当該地のお知らせ看板の有無
    ・現地の管理人等への聞き取り(管理地・駐車場等の場合)
    2, 市区町村の担当部署等での調査・確認
    ・建築確認申請の有無および建築概要
  2. 売買契約の締結前のできるかぎり早い時期に重要事項説明書を作成し、説明を行う
    本事案で、売主業者Bは、売買契約の締結の翌日に、隣接地のビルの建築計画概要書の写しを買主Aに交付している。
    本事案の場合では、売買契約の締結前のできるかぎり早い時期に、隣接計画ビルの高さをはじめ、建築計画の内容および日照への影響を重要事項説明書に記載のうえ、買主Aが十分理解し判断できるよう説明すベきであった。
  3. 買主にとって重要な事項については、調査・説明義務がある
    本事案のように買主にとって日照の確保が購入の重要な条件である場合、業法第35条で列挙している「重要事項」以外でも業法第47条の「重要な事項」に該当し、調査・説明する必要がある。
  4. 調査不十分なときは、買主から損害賠償を請求される場合もある
    また、本事案では、業者は売買代金の返還のみで済んでいるが、このケースのように調査不十分なときは、買主から売買に要した費用等の損害賠償を請求される場合もあるので、誠実に業務を遂行すべきである。

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